着床前診断で遺伝子病と流産のリスクを減らす

着床前診断とは、体外受精によって作られた受精卵を着床前に検査することです。検査するのは染色体や遺伝子です。夫もしくは妻が遺伝子疾患を持っている場合、受精卵が遺伝子を受け継いでいないかを確認することで、先天性の遺伝子疾患や染色体異常、流産のリスクを軽減することを目的としています。診断は原則として遺伝子変異や染色体異常を夫または妻が保有していること、重篤な遺伝性疾患や均衡型染色体構造異常によって何度も流産をしていること、などの条件を日本産科婦人科学会が設定しています。診断は日本産科婦人科学会の認可を受けた病院が、実施申請を行って許可を受けた場合に限り実施できます。

 

着床前診断は自然妊娠ではなく、体外受精が大前提となっています。作られた受精卵から細胞を取り出して検査をし、異常が発見されなければ子宮へ戻します。着床されれば妊娠となりますが、妊娠の確率は約3割とかなり低いです。また体外受精をして検査をするため、自然妊娠に比べると妊娠まで長い日数が必要ですし、体外受精から着床前診断まですべて健康保険適用外の診療なので多くの費用がかかります。なにより日本産科婦人科学会が認定している病院が少ないので、実施のハードルは高いです。

 

着床前診断に似た診療に着床前スクリーニングがあります。体外受精によって受精卵を作り、流産のリスク軽減、遺伝子の異常、染色体の異常をチェックします。さらに受精卵の中でも着床しやすく、遺伝子や染色体の異常が発症しにくいひとつを選んで子宮に戻して、妊娠の確率を高めています。不妊治療のひとつとして実施されている技術で、日本産科婦人科学会が認定している診療ではないので、実施している病院は限られますが、習慣性の流産や妊娠しにくいという悩みを持つ人に対して実施しています。